3期生のフランスへの卒業テストの記録

ブログの概要

1ヶ月ほどご報告が送れてしまいましたが、先月の3月の初旬からスティル・アカデミィ・ジャパン(SAJ)の3期生が5年目の最後に、フランスはリオンの提携校であるアンドリュー・テーラー・スティル・アカデミィ(ATSA)でオステオパシークリニックの卒業試験を受けに行きました。
今回のブログは、このフランスでの卒業試験を中心にイベントの全体像を御報告します。

それ以外にも卒業を迎える5期は特別セミナーを受けました。そして過去にSAJを卒業した優秀なオステオパシーDOの日本人講師がATSAの最終学年の生徒を対象にセミナーを行いました。次回にブログで日本人講師のセミナー内容の詳細を含め、紹介したいと思います。

まずは、全てのフランスでの計画に置いて成功と呼べる喜ばしい結果となりました。


東京からフランスはリオンへ

2023年の3月3日に羽田国際空港を離陸し、北西に向かいアラスカ上空を越えて大西洋を越え、ヨーロッパはフランスのパリのシャルル・ド・ゴール空港に離陸しました、約14時間のフライトでした。
シャルル・ド・ゴール空港の国内線に移動しリオンへ飛行機で向かい、約1時間ほどのフライトでリオンの空港に着きました。そこから貸切のバスでリオンの中心街の宿泊するホテルに向かいました。羽田国際空港で待ち合わせた時間から羽田を立ち、翌日の4日にパリに着きリオンのホテルまで合計約20時間ほどかかりました。

リオン旧市街からATSAへ

翌日の5日はリオンの旧市街地を学生や理事とで散歩し、ノートルダム聖堂を見学しました。その後に宿泊しているホテルにATSAの講師たちが数台の車で迎えに来て、リオンのリモネのオステオパシー学校の側のキリアドホテルにチエックインしました。
その後に学校に招かれ学校内の見学をしました、フランスの学生達が熱心にオステオパシーを学んでらっしゃいました。その後にSAJの学生や理事とATSAの講師陣と共に学校のそばのレストランでフランス料理のランチをしました。その後にATSAの学校に戻り日本の生徒はATSAの4年生の学生のオステオパシークリニック(オステオパシー施術)を受けました。

SAJ学生がATSA4年生のオステオパシークリニックを体験

このオステオパシークリニックはオステオパシー総合診断と施術とアドバイスを含む一連の行為で、40分ほどで行います。SAJの学生の卒業試験はフランスの一般の患者を招いて、このクリニックを通訳付きでこの行為を日本の学生が行い、教員資格を有したオステオパスとジェネラル・ドクターから評価され、合格か不合格が決まります。
フランスの本校の学生の実際の施術を受ける事で、オステオパシークリニックのテストに向かう学生が試験の感覚をまとめやすく成ったと思います。

ピェゾンタンDOのオステオパシー総合臨床セミナー

翌日6日目は、午前と午後に渡りATSAのフランス人講師であるピエゾンタンDOの、ポスト・グラディエート(卒後教育)レベルの、「オステオパシー総合臨床」の1日セミナーがありました。
オステオパシー機能障害の原因と連続性を把握せよ
このセミナーは全身の筋骨格系・内蔵系・頭蓋仙骨系を、より深く解剖学的・生理学的な関係を掘り下げ、全身のオステオパシー機能障害の全体像を把握し、様々な実践的抑制テストを用いて、機能障害の原因の本質の理解と対応を深める事を目的としたセミナーでした。
また仙骨の仰臥位での評価も仙腸関節の関節機能障害か、小骨盤腔の仙骨内臓連結の問題か、脊髄硬膜の問題かを評価し理解する繊細な内容や、更に脊髄硬膜から全身の機能を広く捉える内容など面白い内容でした。
私を含めSAJをすでに卒業した1期生の3名もこの講義に参加しましたが、皆さんとても勉強になったと語り合いました。
即興のオステオパシー哲学を基にした評価と実践の講義
オステオパシー哲学に沿った方向で、実際参加した各生徒をモデルに実際にオステオパシー総合検査から、いくつか存在するオステオパシー機能障害のメインを見つけ、原因やその機序を理解する事を深める内容で、かなり高度な内容でしたがとての勉強に成りました。
卒業生には大変な内容でもありましたが、皆さん講義に満足していました。

オステオパシークリニックの卒業試験

フランスのオステオパシー学校ATSA校舎

7日は今回の目的であるSAJ第3期生のオステオパシークリニックの卒業試験を、午前と午後に行いました。
午前までは2部屋に分かれて試験を行い、午後からは一部屋で行いました。
試験を受ける1人の学生に与えられたオステオパシークリニックの時間は45分〜50分で、先ほども書いたように、オステオパシー総合診断(問診・検診)を行い、オステオパシーマニピュレーションの施術を行い、その後に簡単な説明や指導を行い患者に退出して頂きます。その後に試験官との質疑応答が行われて試験は終わります。

3期生全員のテストが終わり、その後に試験官同士が評価の中立性を審議しながら、夕方に全員の試験結果の合格不合格が言い渡されます。また個人の点数の詳細は生徒個人にのみ伝えました。

喜ばしい事ですが全員合格と成りました、合否が審議された例も数名あった様ですが審議を経て全員合格と成りました。本当に良かったです。

「3期生の皆さんおめでとう御座います。」そして合格してくれてありがとう。これからの皆さんの日本における正規のオステオパシー教育を経た、オステオパスとしての活躍に期待しています。
 

試験発表の後は歓迎会と成りました。まずATSAの学校で軽い祝賀会を行い、その後にレストランで本格的な祝賀会と成りました。SAJ3期生と私たち運営人とATSAのダイレクターやSAJに来日した多くのフランスの先生が集い、至福の宴を設けて頂けました。
この会に、出席出来なかった先生もいらっしゃいましたが改めて感謝を申し上げます。


フランスの学生との合同授業とボージョレーでのワインの試飲会

翌日の9日は、午前中はSAJの卒業生徒とATSAの卒業試験を今年迎える5年生の合同授業を行いました。
日本のSAJの卒業生を相手にATSAの生徒がクリニックを行いました。そのクリニックの内容はカメラで音声と画像が教室で待機している学生が視聴します。
施術後にその評価と施術内容を全員が待機する教室で説明し、学生はその内容に質問をし、また担当した講師からも意見のやり取りをします。
非常にオステオパシーの哲学に沿った実際の施術をアカデミックに探求し合う優れた講義で、フランスの卒業前の学生のレベルの高さの素晴らしく、とても刺激と勉強に成りました。

オステオパシーのイベントは全て終了し、午後リオン最後の観光イベントのボージョレー地区のシールプール村でのワインの試飲会と成りました。
日本でボージョレーと言うと、若いヌーボーが有名ですが実は当のフランスではボージョレーのヌーボーは特に高く評価されていません。
4種類ほどのワインが紹介されました、どのフランス・ワインのとても美味しく更に一緒に頂いたチーズとソーセージやハムも最高でした。

皆さんにありがとう

フランスのオステオパシー名門校ATSAのダイレクターのポポフ先生やビニャペリ先生に感謝します。またポポフ先生の奥様で渡航の手配を何時も行なっているカレン先生や、日本のSAJにオステオパシーを伝えてくれた多くの先生に心から感謝申し上げます。

また何よりこの5年間の教育を全うした3期生の皆さんを讃えたいと思います。
ご苦労様そしておめでとう、そしてありがとう。