在校生の声

他団体と比較してSAJを選びました。

飯野允大

私は北海道の函館市で生まれ、高校卒業まで過ごしました。父親があん摩、指圧、マッサージの資格を取得し、その後、オステオパシーの道に進みました。

その背中を幼少より見ていた私は、患者様に喜ばれる仕事がしたいと思うようになりました。
鍼灸の大学を卒業し、臨床経験を積んでいるうちに徒手で自然治癒力を高めて全身を治療することのできるオステオパシーをしっかり学びたいと思うようになりました。

現在、日本には多くのオステオパシーの団体があり、学校もいくつか存在します。私は他の団体でもセミナーなどを受けたことがありますが、自分にはオステオパシーの知識も経験も浅いので基礎からしっかり土台を作っていけるSAJの教育が合っていると思いました。

SAJは国際的基準を視野に、世界に通用する本物のオステオパシーを日本に根付かせるために企画された、ヨーロッパ基準の教育を学ぶ日本で唯一の学校です。提携しているATSAはフランス国内でも評判の高い学校です。授業内容も解剖学の基礎から確認し、原理原則を論理的に説明してくれるので自分の頭の中でイメージがとてもし易いです。その場でわからない点などがあれば質問し易い環境なので、疑問点も理解できるまで教えてくれます。実技の時間も充分に取ってくれて、感覚が掴めるまでしっかり技術を習得することができます。卒業された先生方もサポートに入ってくれるので本当にわかりやすく受講することができます。

このような素晴らしい学校で学べることを心より嬉しく感じております。また共に学んでいける同期の先生方も、全国から来られている優秀な方々なので、とても良い刺激を受けます。
学校で学んだことを日々の臨床に生かし、患者様により良い治療を提供していけるように頑張って勉強していきたいと思います。

日本はこれから超高齢化社会の急速な進行によって、医療需要の重心が高齢者に大きく移動していき、医療のあり方、医療提供のあり方について、パラダイム転換が求められています。その中でオステオパシーの役割が重要になってくるのではないでしょうか。

3期生 飯野允大

手技を一から学びたいと思いました。

本川 亮

スティルアカデミィジャパン(SAJ)入学にあたりSAJ三期生 本川 亮私は理学療法士(PT)の免許を取得し、今年で26年目になります。北海道釧路市出身で、33年間北海道で育ち、働く中で、一度北海道から出て新たな地で学びながら働きたいという思いが強くなり、宮城県仙台市に移住し、今年で13年目になりました。

現在は仙台市近郊の介護老人保健施設で非常勤PTとして勤務しております。
オステオパシーと出会ったのは、2012年に参加した技術系のセミナーでした。それまでカイロプラクティックは知っていましたが、オステオパシーについてはほとんど知識がありませんでした。

講師は作業療法士(OT)でオステオパシーで学んだ知識をPT・OTでもすぐに臨床にいかせるようオリジナルの体系化したセミナーを開催していました。私はあまり徒手療法を得意とせず、上肢と下肢を中心にアプローチすることしか行っていなかったため、この年になって脊椎に対する骨格調整を学べるだけで新鮮でした。さらに内臓や頭蓋の機能不全が様々な体調不良を引き起こし、それらを徒手的に治療する技術も存在することに驚かされました。

しかし、数回のセミナーに参加しただけでは、内臓や頭蓋に対する技術を私は習得することができませんでした。自分のセンスのなさを棚に上げ、その講師が習った先生から教わると身につくのではないかと思い、高額ではありましたが、2015年からオステオパシー団体主催のセミナーに参加するようになりました。しかし、そこでも繊細な体の動きの感覚をつかむことが自分には難しく、何度も学ぶのをあきらめようと思いました。

そのような折、日本でも働きながらオステオパシーを学べる学校が複数校あることを知りました。このままセミナーに投資してオステオパシーを学んでいくよりは、学校に入って一から学んだ方が自分には合っていると思い、一番早く入学可能な団体である日本オステオパシーメディスン協会(JOMA)主催の無料腰痛オステオパシーセミナー(2016年9月開催)に参加することにしました。講師はSAJ一期生の先生方で、オステオパシーの考え、仙腸関節に対する手技を指導してくださいました。短時間のセミナーでしたが、講師の先生方の素晴らしい技術と人柄に触れることができ、SAJで学びたいという気持ちが強くなりました。

SAJ三期の開校が翌月の予定であり、5年間の授業料が払えるかどうかよりもこの機会を逃すともうチャンスはないという思いが勝り、入学願書をすぐに提出しました。開校は4ヶ月ほど延びましたが、良いタイミングで入学することができました。

セミナーではなくSAJに入学して学ぶメリットとしては、

  1. 日本にいながらフランスの一流講師陣から直接学ぶことができる
  2. 筋骨格系、内臓系、頭蓋仙骨系を総合的に学ぶことができる
  3. (最終試験に合格できれば)フランス政府公認の認定証を取得することができるなどがあげられるかと思います。

2017年2月にSAJ三期の授業が始まり年6回の授業のうち、既に4回の授業が終わりました。これまでの授業を受けた感想ですが、講師はフランスの先生ですので、フランス語で講義をされますが、すぐにオステオパシーに精通した通訳者が通訳してくださり、言語の壁を感じずに授業を受けることができます。また毎回翻訳済みの充実した資料が配布されるため、その日の授業の復習もし易いです。授業では解剖・生理学の知識を復習した後、テーマ毎の実技に移ります。なぜその治療・手技を選択するかを順序立てて導けるようにしっかりとした評価方法を学びます。

ある部位の治療に対しても、一つの手技だけではなく、様々な手技を学びます。引き出しを多く持つことで、患者様に適した手技を選択できるようになるためです。また実技指導ではセミナーとは違い、技術習得のためのステップアップを個人ごとに細かく直接指導してくださる上に理事の先生、一期生の先生もテーブルトレーナーとして指導してくださいます。実技の練習する時間もしっかり設けられています。基本的な質問もし易い環境で自分に合っていると実感しています。私はその場では何となく教えていただいた技術ができたつもりになるのですが、現在の職場では高齢者が多く、直接使えない手技があることを理由に十分な復習をせずにいるため、既に忘れていっている手技が出てきている状況です。周りの環境のせいにせず、学んだことをどう実践し、維持させていくかが現在の課題であります。せっかく一流の講師から学ぶことができても技術は実践しなければ何も身につけることはできません。高い授業料も無駄になってしまいます。ある講師は「練習する相手がいないのなら、ペットでもよいから体を借りて習った技術を練習しなさい」とおっしゃっていました(そのくらいの真摯さが必要という意味で)。これからは職場のスタッフにも声をかけ、練習台になっていただこうと思います。

オステオパシーは制限のあるところを見つけ、その制限を正常化することで自然治癒力と相まって、回復すると考えますが、制限がなくむしろ動き過ぎる状況ではオステオパシーでもできることが限られます。そのような状況では装具を使用したり、機能面だけではなく生活動作面にアプローチするなどPTとして学んできたことで対応できることもあります。将来はオステオパシーとPTとしての経験を組み合わせることで非常に幅の広い仕事ができるのではないかと思います。

SAJ三期の授業開始にあたっては原田先生をはじめ多くの先生方のご苦労があったことを伺いました。少数の入学者状況でも授業を開始してくださいましたことに理事の先生、一期生・二期生の諸先生、事務局をはじめ関係者の皆様に感謝申し上げます。三期生は13人と少数ではありますが、北は秋田、南は鹿児島県まで同じ志を目指し、集った非常に素晴らしいメンバーです。切磋琢磨し合いながら充実した5年間を過ごせそうです。職種も様々で鍼灸師の方からは経絡を教えてもらったり、柔道整復師の方からは開業・院の経営の実状を伺うことができたり、病院や施設内のPT・OTだけのつながりでは得られない知識や技術を得ることもできます。

日本においては毎年医療費が過去最高を更新し続けている中、今後ますます代替医療が注目され、その中でもオステオパシーが重要な役割を担っていくことと思われます。私は最近、ヨガを実践しつつ緩いビーガン食生活を送っています。将来はSAJで学んだオステオパシーの考えや技術を主軸にしつつ、セルフトレーニングとしてのヨガや食事を含めた生活の助言を通して、一人でも多くの方の健康づくりのお役に立ちたいと思っています。

3期生 本川 亮(理学療法士)

SAJに入学した理由

星川健太

私は2015年にあん摩マッサージ指圧師の専門学校を卒業しました。

学校では国家試験をパスするための勉強がメインだったため、人体の基礎知識は学べましたが、臨床で出くわす腰痛や肩こりなどのメカニズムや改善方法などは分からないままでした。

卒業後、いわゆる「これをすれば○○が治る」や「○○整体法」などの本やセミナーをいくつも試してみましたが、内容に納得できるものは無く、実際に臨床で使ってみても効果は薄いものでした。

このままでは行き当たりばったりな治療しか出来ないと思い、前職のシステムエンジニア時代を思い出してみました。

システムが故障した時には、その原因を探すためにテストを行い、原因に対する最適な修正を行い修正後の再テストを行っていました。

それは人もシステムも同じで、臨床での自分に足りなかったのは検査⇒原因⇒治療⇒再検査という行程だったと気が付きました。このような行程を踏んだ治療法はあるのだろうか?調べているうちに「オステオパシー」という治療法を知る事になります。

オステオパシーを教えてくれる学校は日本にいくつもあり、パンフレットやホームページを見ているだけではなかなかイメージがわかず、まずは最寄りのオステオパシーの学校へ授業見学をしにいきましたが自分の考えには合わなかったためSAJの授業見学を申し込みました。参加したのが、ちょうど3期生の1回目の講義で「骨盤」に関する授業をやっていました。

授業はまず解剖学の復習から始まりました。あん摩マッサージ指圧師の学校で学んだ内容よりも更に踏み込んだ詳細な内容でした。

復習した解剖学を元に、関節の細かな動きや重力によってどこに負荷がかかりやすいか、どのような機能障害が起こるかという事を話していました。授業の構成自体がとても論理的で、これがこうなっているからこうなるというのが非常に理解しやすくなっています。そしてその機能障害を見つけるためにどのようなテストをすればよいか、どういう矯正をすればよいかも論理的に教えてくれました。しかも、やり方ではなく、なぜそのやり方を使うのかという考え方を教えてくれるので、ここの授業を全て頭と体で理解出来れば卒業時には、自分の頭で考えて治療が出来るようになれると思いました。

見学後、今すぐにでも入学したいと思い無理をお願いして3期生の途中から入学させてもらいました。

東京の学校なので、今住んでいる関西から通うのは大変ですがそれだけの価値はあると思います。今までに「骨盤」「下肢」「腰椎」の授業を学び、臨床の場でも少しずつ成果を上げられています。

これから他の部位だけではなく、内臓や頭蓋の授業もあり体をトータルで診れるようになると思うと今からとても楽しみです。

3期生 星川健太

SAJを選んで入学した理由

田辺 裕章

私はオステオパシーについては殆ど経験のない状況で入学を決めた数少ない生徒の一人です。病院やその関連施設での勤務のなかで、オステオパシーを基礎からきちんと学びたいという強い気持ちが育っていきました。私は病院という薬物療法や手術等の器具を用いた手技中心の世界で勤めております。

運動療法や徒手療法等、運動生理学に基づく方法については理解のある方々は少なく、その有用性を周囲に示す必要があると感じていました。徒手で患者を安全に治療する方法がないものかと模索していた時、オステオパシーを知りました。オステオパシー関連の市販の書籍のいくつかに目を通し、オステオパシー関連のセミナーに参加するうちに、これこそまさに自分の求めていたものだと感じました。

人体を個別に機能の別れたパーツの集合体としてではなく、それぞれ関連のある一つのユニットとして捉える考え方、精緻な解剖学、生理学に基づく評価法や治療法の積み重ねである点、特に、頭蓋と内臓を含めて診ていく点は、直感的にとても理に適っていると感じましたし、内科疾患で動けなくなる患者さんを診ていく上でとても役立つと感じました。実際に臨床上での疑問点の解決や見落としていた点を洗い出すのにとても役立っています。

SAJの授業の特徴は、最も基本的な解剖学的知識の確認から始まり、診断と治療に関わる運動生理学の知識や、最も基本的な生化学的知見や生理学の所見を、診断法、矯正法の説明のツールとして横断的に用いて説明されるので、具体的に診断法や矯正法の説明を受ける前に、診断法や矯正法の凡そのイメージが自ずと湧いてくる感じがあります。
そのあとに、実際の診断法、矯正法を説明されると、「あ、なるほど」と、溜飲を下げる思いで授業を受けられるので自然と無理なく覚えられる感じがあります。このフランス式授業のスタイルこそ私がSAJを選んだ理由の一つです。
私は今SAJ3 年生ですが、近いうちに勤め先が休みの日を利用して、SAJで一緒に学ばさせていただいている方の経営する治療室の一角をお借りして、治療院を起業する予定であります。目標は、同じ診断法、治療法を持った仲間同士で切磋琢磨できる環境を作ること。ベースの知識が同じであれば、より精緻な症例検討も可能になると思われますし、学のレベルが上がれば周囲からの社会的な評価も上がってくると思われます。

治療院が乱立する昨今、きちんとした医学的知識に基づき、確立された方法論をもち、共通の診断法、治療法(用語を含めて)を持つ者同士が、ある程度組織立って動けることは、大変な強みとなるであろうし、提供できるサービスの質を向上させることのにもなると思います。それが、今の時代に求められていることなのではないかと感じています。

2期生 田辺 裕章

スティルアカデミージャパンに入学して「転機になったセミナー」

丸山 稔一

私は三年制の日本のオステオパシー学校を卒業し、その後独立開業して10年目を迎えました。10年間治療を行いながら、うまく結果が出せるケースと、又自分のレベルでは歯が立たないと感じるケースが交錯しながら現在に至っています。
10年間少しでも上達したいと思い、自習なり国内セミナーに出席するなりと努力はしてまいりましたが、自分の中では飛躍的に上手くなったという実感がなく、治療家としてはまだまだだなと感じていました。

そのような中、今から約4年前JOMA主催で行われたアラン・クロワビエD.O.の末梢神経マニュピレーションセミナーに出席する機会がありました。
このセミナーは問題となっている抹消神経を探し、その神経鞘に対し施術を行うという、正に「解剖学=テクニック」と言ってもいいような内容でした。

圧倒的な解剖学的知識とそれに裏打ちされた触診力がないと現実的には何もできません。自分としてはただ凄い技術を見てしまったと感嘆するだけでした。
例えば、クロアビエD.Oは抹消神経と血管が複雑に交差する腋窩を触診し、指の角度を少し変えるだけで、その神経と血管を識別していきます。
そして目標となる神経を見つけ、インダクションを行いリリースして行くのです。

教育レベルの差

この触診能力、そして従来にはない独創的な技術の開発力は彼の努力ももちろんあるのでしょうが、決して自分一人で、一から積み上げたものではないと感じました。

つまり、これは教育レベルの差なのだ、自分はまだ基本的な部分で勉強なりトレーニングが全然出来ていないと感じ、又今まではどんなに上手くなろうと思っても適切に導いてくれる教育機関が日本には無かったのだと思いました。クロワビエD.OもATSA出身であり、また同校の卒後教育の担当者でもあるとお聞きしました。このセミナーが行われた半年前には既にSAJ一期が始まっておりましたので、私も迷わず二期の入学を決心しました。
現実には入学を決意してから入学までには二年程時間がかかったのですが、JOMAの理事の方々またフランス本校の幹部の大変な努力のおかげで、やっと入学することが出来ました。

予想通り又予想以上

入学してから約2年が経過しました。5年間という長いカリキュラムの中で、現在はストラクチャルを中心にした授業を行っています。
SAJは、1)筋骨格系 2)頭蓋 3)内臓。
スティルアカデミージャパンに入学して この3つの理論と実技のバランス、何が一つ欠けても駄目。3つ全て完璧に出来て初めて治療になることを教育方針に掲げていると第一回目の授業でジャン・ランブルー校長からお聞きしました。
今後の頭蓋と内臓の授業に進む前提として、まずは筋骨格系からというプログラムになっているようです。
現在は骨盤(腸骨、仙骨、恥骨)、 下肢、腰椎、上肢、胸椎、肋骨と頸椎を除くおおよその授業は終了した段階です。
各授業ではまず徹底して各関節のバイオメカニクス(機能解剖学)の説明が行われます。それもかなり詳細にわたっての授業になりますので、この部分の理解だけでも相当なボリュームになります。
またストラクチャルの授業とは別のプログラムで下肢、上肢と二回に分けて触診解剖の授業が用意されています。この授業のなかでは骨、筋肉、靭帯、血管、神経と多岐にわたる触診をして指導していただけます。この授業レベルの触診が出来ることにより明らかに実技の目的がクリアーになっていきます。
スティルアカデミージャパンに入学して
実技については私もそれなりに各関節のテクニックは知ってはおりましたし、治療で使ってはおりましたが、各先生から教わるテクニックは、私が知っているアメリカの教科書に載っているものより合理的に進化させているものです。
決して従来のものをそのままにしておくのではなく、研究し、検討し、実際に臨床で効果を確認したものだと感じざるを得ません。はっきり言ってすごい進化なのです。
第一回目のランブルー校長の腸骨の授業で前方腸骨と後方腸骨のスラストテクニックを教授頂いた時、仙腸関節の長腕と短腕の角度に合わせてスラストしなければ意味がないと厳しく指摘されました。
よくバイオメカニクスのことを考えればその通りなのです。今までも見た目には同じようなスラストをしていましたが、実はこの理論を知らないと全く形だけのいわば別物になってしまいます。
また仙骨については、私が知っている限りその病変を特定することはとても難しく、オステオパシーを勉強し始める人間にとっては最初の壁です。
微細な触診で最終的な病変を決定してゆくため、何人かで同じ患者を診断したとしても結果がバラバラになることがありましたが、SAJの授業では見事なぐらいに検査方法を進化させていました。
SAJの方法を使えば誰でも時間をかけずに同じ結論になります。
今まで仙骨診断でどのぐらい悩んできたかわかりません。正直10年早く知りたかったです。

腰椎、胸椎についてもしかりです。今までは確かに腰椎については腰椎なりに、胸椎については胸椎なりに教わりその部分についての診断はしてまいりましたが、脊柱は一つしかありません。
脊柱全体の中でどこに問題があるのか、病変が複数ある場合は優先順位をどのように決定していくべきか、又その方法は?
この点についても依然からずっと悩んできました。これに対しても実に明快にしかも理論的に教えていただけます。
SAJの授業の特徴は、まずバイオメカニクスの説明、そしてグローバル検査(おおよその病変の特定検査)、スペシフィック検査(部分が確定した後の精密な検査)そして特定した病変に対して非常に合理的なテクニック、それも厳選したものであり、決して手数は多くありません。この流れが一貫して完結しています。
この流れ(システムと言っていいかもしれません)はATSAが40年を掛けて熟成させ作り上げてきたものなのだと思います。
つまりSAJには治療家として一人前にさせるシステムが完成しているということでしょう。もし、にわかに有名な治療家を何人か集めて学校を作ったとしても、決してこの流れを作ることは出来ないと思います。

つい最近、胸椎と肋骨の授業がありました。

先生はイヴァン・ポポフ先生で腰椎の授業も担当されました。腰椎、胸椎については上記に記した通りグローバル検査は同じ方法で行います。
一見簡単そうに見えます。上から下まで脊柱を揺り動かすだけのシンプルなものです。
しかし実際やってみると難しいです。揺り動かすことも難しいですし、その中から病変を特定し関節性なのか筋肉、靭帯性なのかを決定していくわけです。
先生は「この診断には患者さんと世間話をしながらでも10秒で結論を出せ」とおっしゃいました。
先ほど一人前にするシステムは出来ていると言いましたが、それは導きを提示しているだけの話で、身に付けて行くには努力が必要です。ポポフ先生はくしくも言われました。「良いものは決して降っては来ない、自分でつかみ取るものだ」と。また「授業で習ったテクニックは丸暗記しなさい」、「頭で考えて治療を行う際の立ち位置を決めるようなことは決して許されない」と。
一回の授業で教えてくれるテクニックの手数は多くはありませんが、合わせればかなりのものになると思います。
その全てに対してグローバル検査、スペシフィック検査、そしてテクニックを条件反射させることはとても大変なことです。5年の歳月をかけ、それも途切れることなく努力を続け、且つ臨床で使わなければ決して身に付くものではないでしょう。
もしこのすべてに対して条件反射が出来るようになっている自分を想像するとワクワクします。
又この段階を超えていかなければ決してオステオパシーを勉強したと言えないのでしょう。

ATSAの実力

ATSAはフランスにおいて数あるオステオパシー学校の中でも極めて評価の高い学校の一つであると聞いて入学しました。
実際2年間授業を受けての率直な感想なのですが、第一に先生方のクオリティーが非常に高いということです。
各先生は担当する科目については何冊も本を出版している人もいる、分厚い見識を持った方々です。

頭蓋担当のアラン・リニオン先生からは頭蓋のリズムの源泉の一つは脳のグリア細胞の膨張と収縮である。
また組織テクニック担当のフィリップ・ボルディーノ先生からは腱膜組織の動きは毛細血管の中のペースメーカー細胞に依存していると教わりました。これはほんの一例ですが彼らはオステオパシーに関わる人間としては根源的と思えるようなテーマについて最先端の研究をされている方々です。
ATSAには数多くの先生が所属されています。すべての先生が日本に来ているのではないようです。
ランブルー校長は各期の生徒の理解度とレベルに応じてどの先生を送るかを考えている。自分は授業運営のコーディネーターだと自負されていました。
一流の先生が生徒のレベルに応じベストなタイミングで来日しているのがSAJなのです。

黎明期から成長期へ

「世の中にはかくも病気で悩んでいる人が溢れているのか。病院に行っても治らない人、それでも救いを求めて評判を聞きつけ治療院を渡り歩く人の多いことか。」
これが治療家として10年開業してきた実感です。
そのような方々に対し、なかなか応えられない自分がいますが、つたないながらもオステオパシーを実践してきて、それが一つの有効な解決方法だと確信しています。
だからこそ確実にオステオパシーの哲学、治療が多くの人々に貢献できる日が一日でも早く来てほしい。
私が勉強し始めて十数年が経ちました。始めた当時と最近の日本でのオステオパシーを取り巻く状況は、残念ながらあまり変わらないと感じております。
当たり前ですが、ある標準を超えたレベルのオステオパスが、かなりの数増えなければ認知されるはずもありません。
ゆっくりでもいい、確実にできる人を増やしていくしかないのです。看板だけオステオパシーにして結局大したことが出来ない人が巷にあふれることは起きて欲しくないのです。

遅々として改善しない状況を解決して行くには、結局教育しかない。

これは1990年代にフィンランドが経済不況を打開するにあたり国民的に大議論をした結論なのだそうです。そして大胆に予算とシステムを改革して現在では教育先進国になり、その結果、不況を克服したそうです。
これはとても良い例だと思います。時間がかかっても乗り越えてゆくのは本物の教育しかないのではないでしょうか。
実際に改めて勉強し直して思うのは、日本のオステオパシー黎明期を終わらせ次の段階に発展させるのはSAJしかないと。
その奇跡に立ち会える一人として自分がいることを心より幸せに思います。

2期生 丸山 稔一