史上初!日本人D.O.3名がフランス政府認定校ATSAでオステオパシー講義 Notre premier séminaire chez l’ATSA, Lyon, France 2024
2024年3月6日フランスのリヨンにあるATSA校の5年生の正規授業としてSAJ1期卒業生の三人のD.O.「オーシャンズ」が講演を行った。
内容は「東洋医学とオステオパシー」で、東洋医学の根幹となる哲学や日本人が持つ身体観、世界観の紹介、そして各種治療技術のデモや実技を行なった。
既存のオステオパシー教育で抜け落ちてしまっている「本来のオステオパシーが持つ素晴らしさ、その可能性」「スティルやサザーランドが提唱したBody、Mind、Sprit」について東洋医学的視点から改めて問い直す、ちょうど、日本で行われているオーシャンズセミナー「フルイド・オステオパシー:フェイズ0」とでもいうべき、古くて新しい先進の講義が行われた。
4時間を超える長時間の講義にも関わらず、フランス人の生徒や教師たちは熱心に聞き入り、ノートを取り、講義後に質問をしに訪れた。
ポポフ学長も「こんなに熱心に講義を受ける生徒たちには驚いた。これならぜひ次回は、さらに実技を増やして倍の8時間の講義をお願いしたい。」と大絶賛しきりであった。
1時限目:「東洋医学とは何か」〜 日本的な身体観、世界観とオステオパシー哲学 〜
講師:嶋田 龍太郎D.O.
日本の「東洋医学」は中国古典哲学を基礎とするが、中国の
「中医学」とは異なる独自の発展を遂げてきた。
まず基礎として陰陽論、五行論、経絡説などの古典哲学とそれに基づく分析法の脈診や治療法の経絡指圧の実際を示した。
次に、日本独自の身体観、世界観を「武道=Body」「仏教=Mind」「神道=Spirit」をkeywordに解説し、目に見えない世界から現実的な実学としての身体論まで、深い歴史的な流れが日本では現在まで脈々と受け継がれていることを解説した。
それらを通じて、現在のオステオパシー教育の中で忘れられてしまっているスティルが伝えたオステオパシー本来の「Body、Mind、Spirit」のあり方について改めて問い直した。
Notre premier séminaire chez l’ATSA, Lyon, France 202
ポポフ学長の診察室にて(学長のお母さまと一緒に)
A.T,Still Academy(France/Lyon)
オステオパシー通訳の巨匠
野原道広氏も圧巻、安定の大活躍!!
2時限目:「伝統的接骨技法とオステオパシーの可能性」〜 医師、柔道整復師、オステオパスの比較 〜
久保田 俊明D.O.
武道の活法の流れを汲む、日本独自の接骨技術を貴重な映像資料とともに実技を交えて解説した。
これからオステオパスになる生徒たちが今後、直面するであろう外傷の鑑別と骨折後のリハビリテーションの実際を示した。
医師のギプス固定よりも高度で繊細な接骨技術を伝えるとともに、柔道整復師の技法のみでは到達することのないオステオパシーの有用性を伝えた。
今後のフランスでのオステオパシーに外傷への参入の余地を示唆し、さらなるオステオパシー発展の可能性を提示した。
3時限目:「空の概念とスティルポイント」〜 フルイド・オステオパシー 〜
鳥飼 元延D.O.
日本人には馴染み深い仏教の般若心経。そこで語られている「空(くう)の概念」を通じて、現在オステオパシー教育の中では教えられていない、サザーランドの晩年の概念であるフルイドオステオパシーについて高度な解説を行なった。
「空の概念」が提示している世界は、現代物理学の量子力学の世界につながるものだが、ここで示されている状態はスティルポイントと深い共通性を持つ。
この新たな観点を持つことで、今まで見えていなかった世界が開かれていく。その実際を、実技を通して生徒全員が体験した。
実技風景
実技風景
ポポフ学長の治療院前にて