初めての方へ オステオパシーとは

A.T.スティルが作ったオステオパシー

オステオパシーとは

オステオパシーはアメリカのミズーリ州で、アンドリュー・テーラー・スティル(ATスティル)医師が1874年に創始した、手による身体調整学術で、手技療法と一部の西洋医学を合わせた療法として誕生しました。 

一番最初のオステオパシー学校は1894年に始まったアメリカン・スクール・オブ・オステオパシーで、ミズーリ州カークスビルで始まりました。
オステオパシーは一般的にはアメリカ以外の国では手技療法として普及している。
米国はもとより欧州でも広く法制化されていて(アメリカ・イギリス・フランス・ベルギー・イタリア・ドイツ・その他)、WHOでも代替療法の手技療法のジャンルで高く評価されています。  
(アジア圏や、北米のカナダや南米ではまだ法制化は成されていない。)
 

手技療法とは   

手技療法とは、手で身体に触れて操作して健康増進や回復を促す手技の療法全般に使われる用語です。オステオパシー以外でも次のものが手技療法に属します。    
 (スェーデッシュマッサージ カイロプラクティック 日本の指圧按摩マッサージ  中国の推拿 その他…)

オステオパシーの言葉の意味 

オステオパシーという言葉はギリシャ語の「骨」を意味するオステオスと、「施術」や「疾患」を意味する「パソス」を合わせたATスティル医師の造語で、ATスティルはオステオパシーの意味を「骨(生きた構造)の特性を利用した治療」といった。 オステオパシーは、解剖学的構造の特性(形態、質、他の部位とのつながり等)が機能の反応を変化させると考えました。よって、オステオパシーは解剖学的構造の特性を利用した手技療法と言えます。

オステオパスとDOの意味   

オステオパスとは、オステオパシーの教育をへたオステオパシーの専門家の事です。  
DOとは・・・アメリカの場合はオステオパシー医師(Doctor of Osteopathy)の意味で、アメリカ以外の国では基本的にはディプロム・オステオパシー(オステオパシー卒業資格)の事を指します。

オステオパシーとは「哲学・科学・技術の統合」 

 

スティル医師が長年に渡って人間の体と精神、健康・病気・治癒などについて考えた医学的な考え方を「オステオパシー哲学」と表現しました。全身のあらゆる組織は緊密に連携し、相互に影響し合っています。例えば肩の痛みがあったとすると、肩だけに注目するのではなく、他の部位ー例えば内臓の影響や骨盤、下肢、頭蓋骨の影響がないか原因を探り、施術をし、肩の痛みを軽減させます。オステオパシーは手で筋肉や関節、内臓や神経、膜組織などに施術(手技療法)を行います。オステオパシーは正確には、テクニックのみを指す言葉ではなく、スティル医師が考えた医療哲学・科学・技術の総合的な物です。 

オステオパシー哲学     

哲学(Philosophy)とは、簡単に言えば「思索・探求すること」です。
スティル医師は人間の生命活動、疾病と治癒、構造と機能などについて考え続けました。彼は生命活動がどのように働いているのか、なぜ傷は治るのか、どのようにして身体は疾病を治癒しバランスのとれた健康体を作っているのか。そして、その生命活動の働きを助け、活性化させる方法はあるのか。その医学的思想体系を「Osteopathic Philosophy(オステオパシー哲学)と表現しました。それが下記のオステオパシ―哲学です。


1. 身体は一つのユニットである。(全体性・ホリスティックな生命観・ボディー・マインド・スピリット)
 

オステオパシーは人間を細分化された器官の寄せ集めとは捉えません。
身体のあらゆる部位・各器官は緊密に繋がり合い、お互いに影響しあっています。例えば後頭骨は仙骨と連動し、仙骨は骨盤内臓器や骨盤・下肢とも緊密に繋がり影響しあっていますので、下肢や骨盤内臓器に起きた問題は後頭骨まで影響が及ぶといえます。ですから、例えば頭痛を持っている人の原因が骨盤内臓器や骨盤の問題から来ることがあるのではないかと考えることができます。そのような観点から、施術をどのように行うか考え、施術を行います。

2. 身体は自己調整・自己治癒・健康維持能力をもつ

オステオパシーはまず「人体は自らを調整し自己治癒させ維持する作用がある事」を尊重します。尊重すべきは内在する自己調整・自己治癒を尊重し、身体が本来持っている「内なる医師」に寄り添うファシリテーターの立場を重視します。   

3. 構造と機能の相互関係 

オステオパシーでは、体の構造は機能を決定し、機能は構造を維持する相互的な関係にある事に注目します。 身体構造の歪みはその機能「動き・生理」を乱し、また逆に機能の乱れは形態を変化させる作用があります。人間の体のホメオスターシスは構造と機能の相互バランスで成り立っています。オステオパシーは構造と機能の関係について深く考察し、施術に応用するという特徴があります。  

4. 動脈血は非常に重要である。

スティル医師は動脈血が体を維持し、疾病を治癒させていて、最も重要である事を説きました。 「内在する医師」である血液を(オステオパシーの手技によって)身体の隅々まで行き渡らせることによって、身体が自らを治す手伝いをする。これが最も重要な事だと言っていました。

オステオパシー科学(Osteopathic science)  

オステオパシー科学は、スティル医師の考えた医学的思想哲学を元に、病気の原因を取り除き健康体へ導く手法や考え方を指します。
そして、実際の臨床では解剖学的構造に対し、的確にオステオパシー手技を行い、血液循環の正常化、神経系の活性化、痛みの緩和などを目的に施術を行います。

オステオパシーの技術 

オステオパシーでは様々な手による施術の手技を「マニピュレーション」と言います。
解剖学や関節運動学などをベースに、機能障害(オステオパシー機能障害)の原因を見つける検査手技と、問題を改善する調整(矯正)手技があります。  

オステオパシー矯正手技は大きく言うと2つあります。
ダイレクトテクニック〔直説法)とインダイレクトテクニック(非直接法または間接法)です。  

 

オステオパシー機能障害(Osteopathic disfunction)の説明  

オステオパシー機能障害は

物理的ストレス(過去の外傷 不適切な動作 不良姿勢)
化学的ストレス(不健康な食事 合わない薬 毒物 タバコ)
生物学的ストレス(感染症 腸内細菌のアンバランス)や
感情的ストレスなど
が原因となり、起こります。 

一定の許容量を超えたストレスが続くと物理的・生化学的・神経学的変化が連鎖的に機能異常を引き起こします。
オステオパシー的な見方から、身体の機能障害を「オステオパシー機能障害」と呼んでいます。
しかしこの問題は機能障害なのでオステオパシー手技の調整で解放されうる可逆的な問題です。

ダイレクト・テクニックとインダイレクト・テクニック   

オステオパシー・マニピュレーションの矯正法には大きく2種類あります。ダイレクトテクニックとインダイレクトテクニックです。    

ダイレクト・テクニック(直説法)
例えば、尻もちをつき、右の骨盤から地面に落ちたとします。右の骨盤と仙骨の間の関節(仙腸関節)において、右骨盤が上方にずれたとすると、オステオパシーではその右側の骨盤を下に下げるための調整を手技で行います。このような矯正する手技をダイレクト・テクニック(直接法)と言います。

インダイレクト・テクニック(間接法)
次に、インダイレクト・テクニックを説明します。インダイレクト・テクニックは、例えば首が右に傾いていたとします。そして、痛みがあるので首を真っすぐにできません。その場合、まずは首が痛くない方向にもっていきます。その方が首は痛みを起こさず、スムーズに動きます。
そのような首が右に曲がっている状態を「オテオパシー機能障害」とし、その状態をさらに誇張する事によって筋組織のリラックス状態を作り、最終的には身体が自ら歪みを自己修復するように導きます。このような手技はオステオパシーの特徴的な手技であると言えるでしょう。 

オステオパスはこの二つの手技を、相手の必要な状態や条件を加味して選択し施術に用います。どちらも重要な手技です。   
また、コンバインド・テクニック(複合法)と呼ばれる手技もあります。これは主にダイレクト・テクニックとインダイレクト・テクニックを連続して使った場合に複合法と呼ばれる事が多い。  

筋骨格系・内臓系・頭蓋仙骨系とは  

オステオパシーでは、「身体は一つのユニットである」との考えから、身体の全体を観察する重要性を説きました。オステオパシーの誕生当初からATスティルも筋骨格系や内臓系・頭蓋にもオステオパシーを応用していいましたが、当時はまだ未成熟で体系化されたものではなく、筋骨格系を中心に観察し全体の筋骨格系の構造と機能と施術対象とし、また筋骨格系を介して全身の観察と正常化を求める手技が発達していきました。

筋骨格系のオステオパシ― 

筋骨格系のオステオパシ―とは、頭蓋以外の筋骨格系のオステオパシーの学術をさし、技術的には頭蓋以外の筋骨格系のオステオパシ―機能障害に対応するオステオパシー・マニピュレーションを基本的には指します。組織(筋・筋膜)と関節のオステオパシ―機能障害に対して施術を行います。組織や関節にダイレクト・テクニックで穏やかに開放するTGOや、関節の機能障害をダイレクトに矯正するストラクチャー・テクニックや、筋や関節を優しく操作するインダイレクト・テクニックのカウンターストレインや、筋膜に対する組織テクニックなど、その他様々なオステオパシー・マニピュレーションがあります。 カイロプラクティツクやマッサージと施術に対する考えが様々な点で異なり、グローバル視点を持つ特徴があります。
    

内臓系のオステオパシ―       

内臓に生じたオステオパシー機能障害に対応するオステオパシーマニピュレーションの事で、内臓に体壁の構造を返して物理的作用を手で加えて内臓を調整する手技を内臓オステオパシーと言い、体表の組織の内臓反射区を評価と施術に使うオステオパシー反射テクニックも内臓系のオステオパシ―に属す部分が多い。          
フランスのオステオパシーが得意とするジャンルで、独創的で多彩な手技を持つ。       

 

頭蓋仙骨系のオステオパシ―    

 頭蓋仙骨系とはオステオパシーの用語で、頭蓋仙骨系は共に筋骨格系の構造に分類されますが、その骨格構造を返して筋骨格系以外の関連したシステムも施術対象としている。頭蓋仙骨系とは「脳と脊髄の固有運動 脳脊髄液の波動 頭蓋硬膜と脊髄硬膜の可動性 寛骨間の仙骨の不随的可動性 」の連動した潜在的生命の動きの系の事で、この部に生じるまたは間接的にこの運動に関わる、オステオパシー機能障害に頭蓋オステオパシーが対応する。  

 

オステオパシー診断法とオステオパシー的推論とオステオパシーの実践 

オステオパシーには独特な診断法があります。
全体的な症状や病歴、不調の現れ方、生活習慣などを確認するグローバルな問診法と、身体の状態を手で触診するオステオパシー検診法の二つの方法があります。
そして、一人一人にに合わせたオステオパシー・マニピュレーションを選択し施術を行い、その問題と関連する日常生活の改善のための指導を行います。